PCI Express x4のボードはx1のスロットに挿入できるでしょうか?

こんにちはドルフィンシステム福島です。

東京は6/6に梅雨入りしました。本日6/11は、関東地方に台風5号が接近中と言うことで、雨が多くなり足下も悪くなっています。お気をつけください。


現在、ドルフィンシステムでは今年後半の契約に向けて、色々な調べ物やフィージビリティースタディーを重ねています。
受注をする前に、技術的な課題や不明点をクリアするため時間をかけて調べる必要があります。

当たり前のことですが「問題点は早めに出して、潰す」ことを心掛け、徹底していきます。
調べ始めると思った以上に、分からないこと、確認しなければならないことが出てきます。

まぁ大丈夫だろう、と甘い見通しで痛い目に遭うこともありました。
ドルフィンシステムでは、このような痛い目に遭わないように、また仕事の善し悪しが属人的にならないような仕組み作りに取り組んでいます。


PCI Express x4のボードはx1のスロットに挿入できるでしょうか?

ドルフィンシステムではFPGAの開発だけではなく、納入するためのPCなどの選定も行います。

接続するUSRP-RIOの台数や、予想されるCPU負荷などを勘案してPCを選定しますが、ネックになるのはPCI Expressスロットの数とレーン数。

PCのPCI Expressスロットのタイプを確認しないと、USRP-RIOのインターフェイスカードが入らない・速度が出ないなど、痛い目に遭いますのでPCの選定は経験のあるスタッフが慎重に行っています



では問題です。



以下の写真は、PCとUSRP-RIOを接続するインターフェイスカードで、PCI Express x4に対応しているボードです。

このPCI Express x4のボードはx1のスロットに挿入できるでしょうか?
(PCI Expressスロットだの、x4などについては以下で解説しています)

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答えは、

物理的に挿入不可能です。




以下の写真には、PCI Express x1とx16スロットが写っています。

赤色コネクタが、x16のスロットで、

黒色の小さいコネクタが、x1のスロットです。


x16のスロットには挿入できていますが、PCI Express x1スロット(手前の黒色)には、物理的に挿入できません。

コネクタのサイズが違うので、挿入できないのです。

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PCI Express x16のスロットには、x1、x4やx8のボードが挿入&動作可能。

PCI Expressのx1やx4、x16というのは一体何でしょうか?


PCI Expressのデータを転送する伝送路を"レーン"と言います。高速道路と同じですね。

PCI Express x1は、1レーンを使ってデータ転送します。

PCI Express x4は、レーンを4本束ねて4レーンを使って並列転送しますので、x1に比べて4倍高速です。

ディスプレイカードなど高速大容量転送が必要なデバイスは、16倍高速なPCI Express x16で動作します。


ちなみにレーン数は、少なくても動作します。


どういう事かというと、

PCI Express x4に対応しているボードは、PCI Express x16のスロットに挿入しても動作するのです。

16車線の高速道路の4車線を使っているのと同じで、少ない分には問題ないのです。


ちなみにx1のスロットにx4のボードも入ります。


さっき、物理的に不可能、と説明したいじゃないかって?


はい、物理的にx4→x1に変換するコネクタというものは販売されていますので、そういう変換ボードを使えば接続は可能です。ただしこの場合レーン数は1レーンになりますので、転送レートは落ちます。


どのくらい転送レートが落ちるかというと・・・

帯域幅でいうと160MHz→40MHzと1/4になります。

USRP-RIOの具体的な転送レートは以下の表の通りです。



レーン数

帯域幅

転送レート(MB/s)

x1

40MHz

200MB/s

x4

160MHz

800MB/s


まとめ

  • PCI Expressは、使用するレーン数をx1、x4、x16など表現している。
  • レーン数が多ければ、その分並列転送するので高速に転送できる。
  • PCI Express x16スロットには、x1やx4などレーン数が少ないボードを挿入可能。
  • PCI Express x1スロットには、x4やx16などのボードは物理的に挿入不可能。
  • ただし論理的には接続可能なので、変換コネクタなどを使って物理的に挿入可能に出来る。


ドルフィンシステムでは、以上のようなインターフェイスの確認やフィージビリティースタディーを行っていますが、実は多くの失敗もしています。せっかく購入したボードやPCが使えない、という事もありました。

ドルフィンシステムでは、泥臭い作業も繰り返しながら、お客様に最適なSDRシステムの提案をしております。


SDRを用いた無線システムの開発はドルフィンシステムへ。


以上、ドルフィンシステム福島がお送りしました。

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