こんにちは、ドルフィンシステム福島です。
ドルフィンシステムで販売しているRF収録再生システムの紹介ブログ、第4回目になります。
1回目 : 「届いたその日から使える――USRPの“めんどくささ”を全部解消したRF収録・再生システム」 http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2026/03/usrprf.html
2回目 : 「届いてすぐ使えるって本当? USRPベースのRFキャプチャ/プレイバック環境を試してみました」 https://dolphinsasoh.blogspot.com/2026/03/usrprf.html
3回目 : 「USRP B210でRF収録再生を使いこなすための基礎知識と注意点」 http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2026/03/usrp-b210rf.html
今回はその続きとして、B210のチャネル間位相差の実測結果を公開します。
B210は2chの位相が固定されると言われますが、MIMO評価や偏波比較では実際にどの程度安定しているかが重要です。今回は、同じ信号を2本に分けてB210の2つの受信チャネルへ入力し、収録を繰り返しても位相差が崩れないかを確認しました。
今回確認したいこと
見ているのは、B210のRF AとRF Bで同じ信号を同時受信したとき、収録アプリの再起動や電源再投入を挟んでもチャネル間位相差がほぼ一定に保たれるかです。
この性質が安定していれば、例えば次のような用途で扱いやすくなります。
- 2本のアンテナで同一信号を比較する評価
- 垂直偏波と水平偏波の同時観測
- MIMOや簡易ビームフォーミングの事前評価
- 位相差を使った相対比較を行う計測
測定方法
今回評価した個体は、NI USRP-2901、いわゆるEttusのB210相当機です。
- ADALM-PLUTOからテスト信号を送信する
- その信号を分配器で2分配する
- 分配した同一信号をB210の2つの受信チャネルへ同時入力する
- ドルフィンシステムのRF収録再生システムで2チャネル同時収録する
- 収録したIQデータをPhaseComparatorで比較し、ch0基準でch1の位相差を求める
電源投入後に3回収録し、その後B210の電源を再投入してさらに3回収録しました。合計6回分をまとめて比較しています。
測定条件は以下の通りです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| テスト信号 | 11a - 20M - 54Mbps - nopeak -1 frame-IIO.txt |
| 中心周波数 | 2 GHz |
| 収録サンプルレート | 5 Msps |
| gain | 30 |
| 収録時間 | 100 ms |
| 試行回数 | 電源投入後3回、電源再投入後3回 |
| 外部同期信号 | なし |
| 評価方法 | ch0を基準にch1の位相差を確認 |
測定結果
6回収録したすべての結果で、ch0-ch1間の位相差はおおむね-0.96度付近に分布し、6回全体のばらつきは約0.015度でした。
収録アプリの再起動やB210の電源再投入を含めても、チャネル間位相差の変動はほとんど見えませんでした。6回分の線もほぼ重なっています。
- 位相差の代表値は約-0.96度
- 6回全体のばらつきは約0.015度
- 電源再投入の前後でも大きなズレは確認されなかった
- 今回の条件では、B210の2チャネル間位相差は実用上ほぼ固定と見なせる
この結果は、前回記事で触れた「B210は2chを位相固定で観測しやすい」という話を、実測で裏付けるものになっています。
この結果をどう見るか
低コストなB210内部の2チャネル間位相が安定していることは大きな利点です。起動のたびにチャネル間位相が大きく動く機種に比べ、2チャネル同時観測を前提にした評価系を組みやすくなります。
特に、
- 低コストで2chの位相比較を始めたい
- USB接続の手軽な機種を使いたい
- まずは机上でMIMOや偏波比較の評価環境を組みたい
という用途では、B210はかなり扱いやすい選択肢です。
まとめ
今回は、NI USRP-2901を使ってB210の2チャネル間位相差を実測しました。
2 GHzで同一信号を2チャネルへ入力した条件では、ch0-ch1間の位相差は約-0.96度で安定し、電源再投入を含む6回の試行全体でもばらつきは約0.015度でした。
B210は、手軽なUSB接続機でありながら、2ch同時観測時の相対位相が非常に安定している実務向きのUSRPだと言えます。
ドルフィンシステムのRF収録再生システムでは、このようなUSRPの特性も踏まえて、用途に合わせた構成でご提案しています。 デモ機もございますので、事前評価をご希望の場合はお気軽にご相談下さい。
https://rfcapture.dolphinsystem.jp/
以上、ドルフィンシステム福島でした。

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