USRP-RIOのキャリブレーションをしてDCオフセットとIQ位相ずれに対処する

USRP-RIOは送受2chずつ搭載されているところに加え、安価に複数台の拡張と同期ができるため採用の幅が広がってきています。

最近弊社のお客様でも、

  • 複数USRP-RIOに複数アンテナを接続し、到来方向推定やビームフォーミングをしたい

というお話が増えてきています。

機器構成としては、下図のように、

  • 2台のUSRP-RIOを同期させて合計4チャネルの受信アンテナからの入力を同期させたい

場合などです。

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この場合課題なのは、各USRP-RIO間の同期とキャリブレーションです。

USRP-RIOは、10MHzリファレンスクロックとPPS TRIGの2種類の同期用シグナル端子があり、この2つを使用してUSRP-RIO間のサンプリングタイミングの同期が行えます。

しかしながらUSRP-RIOは、モジュール式計測器のPXIe-5644R(aka VST)やPXIe-7956R(aka FlexRIO)などとは違いLOを同期できるわけではないため、USRP-RIOに搭載されているRFモジュールは非同期で動作するので取得し各アンテナのIQデータの位相はバラバラになります。

位相がバラバラでは各アンテナに入力される信号の遅延時間が異なるため、到来方向推定などで使用することができません。

これに対応するため弊社では、

  • 各入力信号の位相を揃える
  • DCオフセット(LO Leak)を抑制する

ための処理を各アンテナのIQデータに対して行っております。

この様子は以下の動画でご覧ください。
動画は以下の順番で進んで行きます。

  1. USRP-RIO 2台からのIQデータは位相がバラバラで、DCオフセットも大きく出ています。
  2. 無信号状態にしてDCオフセットを抑制します。
  3. 正弦波信号を入力し、IQ位相とIQバランスの調整を行います。
これで位相がかっちりとあった信号で実験をすることができます。



USRP-RIOを使用した実験系構築はドルフィンシステムへ。

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