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1台のUSRP Nシリーズで送受信を同時に開始するために、USRPのPPSINにOctoclockのPPSOUTを入れて、同時に開始できるか確認します。
実験環境
USRP | NI USRP-2922 |
LabVIEW | 2015 SP1 32bit |
トリガソース | Octoclock |
USRPのTX/RXポートとRX2をSMAでループバック接続。
スタートトリガ発信源は、Function Generatorでも何でも良いと思われますが、今回はOctoclock PPS Outを使用します。
OctoClockはInternal Clockで動作させ、OctoclockのPPSOUTとUSRP PPSINをSMAケーブルで接続します。
ソフトウェア
動作内容は、USRP RXを初期化した後USRP TXを初期化し、それぞれにスタートトリガの時間とPPS OUTを設定します。その後、送受信を開始し、受信したデータをグラフ表示します。
送受信結果
以下画像の、グラフ上段が送信データ。グラフ下段が受信データです。
IQ Rate | 1MS/s |
中心周波数 | 1GHz |
送信データ | CW信号(1KHz) |
受信サイズ | 20000サンプル = 20ms |
きっちり10000サンプルが送受信されているので、送受信タイミングは同期して居ることが分かります。
何度か実行しても開始位置はずれることなく実行できたので、PPSで同期して開始していると思われます。
送信タイミングを500us遅くする
送信開始時の瞬間が分かるように、送信タイミングを500us遅くしました。
正しく送信波形が送られているようです。
受信波形の右肩上がりの原因は?
受信波形を見るとCW信号が右肩上がりになっています。これは一体なんでしょうか?
まず送信側と受信側のどちらが原因か?を切り分けます。
送信信号を分配して、リファレンスクロックで同期したNI VSTで受信した波形が以下の画像です。(Octoclock 10MHz RefをUSRPとVSTに入れて同期させている)
送信データとほぼ同じ安定した波形を受信している事が分かります。よって送信側は問題なさそうです。
受信側が悪そうです。
ではどの程度で受信側は安定するのでしょうか?先ほどの10倍である100msをUSRP同士で送受信してみました。
すると以下の画像の用になりました。
幅は100msなので、安定するまで35~40ms程度掛かっているようです。厳密に計測する場合、立ち上がり40ms程度のデータは使用しない方が良さそうです。
ちなみに高精度RFモジュールの NI PXIe-5646Rは、3us程で立ち上がってますので桁が違いますね。
異常
以下は、中心周波数915Mで実行した場合の波形です。
1回目と2回目の実行時で波形が異なっています。
どうも915Mや901Mのように中途半端な中心周波数の場合、理由は不明だが初期位相が毎回異なってしまうようです。
1Gや2G、900Mなどぴったりの中心周波数は平気ですが・・・
以上、ドルフィンシステム福島でした。
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