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こんにちはドルフィンシステム福島です。
7月でも猛烈な暑さが続いています。熱中症にお気を付け下さい。
今回は、クロック&トリガ分配器 OctoClockの動作を解説します。
複数台のUSRPを同期させて動作させたい場合、必須のデバイスです。複数台のUSRPを動作させる場合には
キャリブレーションもコツがいりますが、まずはクロックやタイミング制御周りを完全に把握
することが必要です。
もし複数台のUSRPを動作させたい場合は、ドルフィンシステムにご相談ください。
リファレンスクロックやトリガを分配するOctoClock
複数台のUSRPを同期して動作させたい場合があります。
例えば、MIMOや複数アンテナからのRF収録する場合は、
リファレンスクロックやスタートトリガを各USRPに分配
させる必要があります。
こういう場合リファレンスクロックとトリガの信号ソース&分配器が必要になりますが、通常ドルフィンシステムでは、
GPS受信機&信号ソース&分配器を兼ねている
Ettus ResearchのOctolcock-G CDA-2990
を使用します。
OctoClockは、内部 or 外部で発生した10MHzクロックとPPSトリガ(1秒間に1回信号が発生するトリガ)を8つのSMAポートに分配して出力します。
説明を簡略化するため、以下用語を以下の意味で使用します。
- 信号 : 10MHzリファレンスクロックおよびPPSトリガと表記するのは紛らわしいので、「クロック」・「トリガ」をまとめて「信号」と表記します。
- 入力コネクタ : OctoClock 10MHz InputとPPS inputコネクタ
- 出力コネクタ : OctoClock 10MHz InputsとPPS Outputsコネクタ
OctoClockの種類と挙動
OctoClockには、「無印 OctoClock」と「OctoClock-G」という製品があります。
無印 OctoClock
内部信号源がありません。入力コネクタから入力された信号を、分配して出膂力コネクタから出力します。
内部に発信源はないため、必ず10MHzとPPSは外部から入力する必要があります。
OctoClock-G
内部に信号源があります。GPSDOが搭載されており内部に発信源を持ちます。
GPSアンテナが接続されGPSがロックされたら、GPSに同期した信号を出力コネクタに分配して出力します。
GPSアンテナが接続されていない場合やGPSがロックされていない場合は、GPSDO内部で発生させた信号を、出力コネクタに分配して出力します。
OctoClock-Gは外部から供給された信号を分配して出力することも出来ます。
OctoClock-Gで外部のリファレンスクロックやトリガを分配させる場合の注意
OctoClock背面に"PRIMARY REF"スイッチがあり、内部の信号を分配するか、外部の信号を分配するか選択することが出来・・・そうですが、実は単純な切替ではありません。
このスイッチは、"PRIMARY REF"と書かれており信号ソースの優先順位を切り替えているだけです。内部/外部どちらのモードで動作しているかは、LEDを見て判断します。
"INTERNAL"の場合
スイッチを"INTERNAL"にすると、内部で発生させた信号を分配して出力します。入力コネクタに外部クロックとトリガが入力されていても無視します。
以下の図は、優先順位がINTERNALが選択されINTERNALで動作している様子です。
"INTERNAL"LEDが点灯する
"EXTERNAL"の場合
"EXTERNAL"にすると入力コネクタに接続された信号を分配しますが、それには条件があります。
スイッチが"EXTERNAL"かつ10MHz Inputに10MHzクロックが供給された際に、EXTERNALに切り替わります。
スイッチが"EXTERNAL"になっていても、入力コネクタに10MHzクロックが入力されていなければ内部ソースの信号を出力します(10MHzクロックとPPS両方内部ソースの信号が出力される)。この場合、LEDは”INTERNAL"が点灯します。
OctoClock-Gを使って外部入力されたPPSだけ分配したいという場合は、どうすればいいでしょうか?
OctoClock-Gは、外部入力された信号を分配させたい場合は必ずクロックを入力する必要がありますので、PPSだけ出力したい場合もクロックも入力する必要があります。
ちなみに。無印OctoClockは保有していないため挙動は未調査です。
外部信号入力時の挙動を確認する
では以上で説明した外部信号入力時の挙動を確認します。
以下のように結線し、OctoClock-Gに外部信号を入力してOctoClockの出力を確認します。
PXI-6683Hタイミングモジュールから、クロックとトリガを出力します。この出力をOctoClock-Gで受けて分配し、オシロスコープで観測します。
"INTERNAL"動作時
内部からの10MHzリファレンスクロックと、PPSトリガが見えています。OctoClock-G通常の動作です。
"EXTERNAL"動作時
PXI-6683Hから10MHzとトリガを入力します。すると外部入力された10MHzとトリガが観測できました。
外部10MHzリファレンスクロックが入力されていると、LEDも"EXTERNAL"を示します。
EXTERNALにしても、10MHzリファレンスクロックが入っていなければ"INTERNAL"動作になります。この場合は外部トリガは分配されません。内部のトリガが分配されます。
まとめ
OctoClockのまとめです。
- OctoClock-Gは、内部および外部からの信号を分配できる。
- OctoClock-Gは、"PRIMARY REF"が"EXTERNAL"になっているときに、外部信号を分配する。
- ただし外部から10MHzリファレンスクロックが入力されているときにのみ、"EXTERNAL"モードで動作し外部信号を分配する。
- 外部から10MHzリファレンスクロックが入力されていないと、外部PPS inを分配して出力されない。
- OcloClock-Gの外部PPSは、PPSでなくても任意の入力信号を分配して出力する。
ドルフィンシステムでは、以上のようにフィージビリティースタディーを繰り返しながら開発や実験の最適化を図り、時間の節約をして、お客様に最適なSDRシステムの提案をしております。
以上のようにOctoClockは、複数台のUSRPを同期させて動作させたい場合、必須のデバイスです。複数台のUSRPを動作させる場合にはキャリブレーションもコツがいります。
もし複数台のUSRPを動作させたい場合は、ドルフィンシステムにご相談ください。
以上、ドルフィンシステム福島がお送りしました。
参考
OctoClock Manual
https://files.ettus.com/manual/page_octoclock.html
OctoClock CDA-2990 Knowledgebase
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