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こんにちは。ドルフィンシステム福島です。
テレコミュニケーション 6月号に「周波数共用」の記事が掲載されています。
Part4 ひっ迫する電波資源の“救世主”となるか
5Gで実現する「周波数共用」
https://telecomi.biz/backnumber/bn2020_06.html
この記事では総務省のプロジェクト異システム間の周波数共用技術の高度化で行われた事業の目的と背景、今後の展開について書かれています。
この記事でドルフィンシステムが取り上げられ!
・・・てはいないのですが、ドルフィンシステムではこの記事で取り上げられている実験系をSDRで実装し実現してきました。今回のメールニュースでは差し障りの無い範囲で事例をご紹介したいと思います。
「周波数は限りある資源」
以前から言われていますように、無線システムが使用されるにつれ割り当てられる周波数が限界に近づきます。今までも周波数帯の引っ越しや周波数の有効利用を目的とした研究開発が行われていましたがますます逼迫しており、無線システムが同じ「周波数を共用」(周波数を相乗り)して利用することが現実的になってきました。
この技術を確立し課題や運用面での知見を得るための技術開発が総務省の国プロで行われています。
周波数共用は、アメリカでは既に実用化され、日本では2021年度の実用化を目指しています。
ノートPCにUSRP-RIOを接続して使用します。
多数システムをモニタリングすると言うことは、使用周波数帯がバラバラで150M、230M、400M、2.3Gを受信する必要があります。
ここではUSRP-RIOの各チャネルに対応するアンテナを接続し、中心周波数を切替ながら順番に一定時間受信します。
受信した帯域に電波に信号が含まれていたら、復調を行い、どのシステムが使用されているか判定し、記録します。
全体構成
USRPで様々な周波数を受信
例えばショッピングセンターでは、昼間は買い物客のLTE通信が多く行われますが、夜間はお客さんがいないためLTEの電波は使われません。
ここに着目し夜間など空いている時間に他のシステム(IoT等)に開放することが出来るのでは?またそのために隣接チャネルに干渉を与えない技術が適用できるのでは?という点を実証するシステムを開発しました。
こちらは結構大規模なシステムで、LTE基地局を模擬するPXIシャーシ 1台と、LTE端末局を模擬するUSRP3台で構築しました。基地局と端末局の間は、本プロジェクトで開発したLTEを模擬したLTE互換無線システムが動作しており、双方向通信が可能です(MAC層は実装しませんでしたが、その上のレイヤーまではLTEと互換のシステムを実装しています。)
端末局は、ノートPCとUSRPがモーター駆動の台車に搭載され、疑似LTEシステムを経由して制御します。
基地局
18スロットのシャーシにFPGAボードを多数収容し信号処理する
端末局
ノートPCとUSRPはモーター駆動の台車に搭載。
LTE回線を通じて台車を移動させる。
ユーザが「電波使用状況シナリオ」に基づいて基地局のパラメータを変更すると、基地局から端末局へと各種パラメータが送信され、電波の使用方法を変更した状態を模擬することが出来ました。
基地局と各端末の間はIP Reachable(pingが通る)になっていて、pingを通す部分は弊社のEthernet over SDR技術を採用しています。
USRPでYoutubeを見る?! Ethernet over SDR技術とは?
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2020/06/usrpyoutube-ethernet-over-sdr.html
送信側は、2台のUSRPから100MHz幅の信号を送信します。
受信側は、2台のUSRPから100MHz幅の信号を受信し(MIMO)、ファイルに記録します。
また受信側USRPはMIMO受信に対応するため、位相同期を行うためにリファレンスクロックやスタートトリガを共通で使用していますが、これでは不完全なためキャリブレーション機能を追加して位相合わせを行っています。
キャリブレーションを行うに当たり、送信アンテナとキャリブレーション用の信号の切替が発生しますが、手作業での切替作業は効率が悪いためRFスイッチを使用して自動化し、ユーザの手間と時間の削減をすることが出来ました。
受信キャリブレーションブロック図
今回は「周波数共用」についての事例についてご紹介しました。
実証実験のように様々な要素が絡み合い、途中で計画や仕様変更もあるような柔軟性が求められる業務では、SDR技術が役に立ちます。
ドルフィンシステムは、お客様との打ち合わせの中から要件を抽出し、
などなどいくつもの技術的要件を検討し、一つ一つ検証しながらお客様へと提案しお客様と仕様を作り上げていきます。
お問い合わせはこちらまで。
http://www.dolphinsystem.jp/contactus/
以上、ドルフィンシステム福島でした。
テレコミュニケーション 6月号に「周波数共用」の記事が掲載されています。
Part4 ひっ迫する電波資源の“救世主”となるか
5Gで実現する「周波数共用」
https://telecomi.biz/backnumber/bn2020_06.html
この記事では総務省のプロジェクト異システム間の周波数共用技術の高度化で行われた事業の目的と背景、今後の展開について書かれています。
この記事でドルフィンシステムが取り上げられ!
・・・てはいないのですが、ドルフィンシステムではこの記事で取り上げられている実験系をSDRで実装し実現してきました。今回のメールニュースでは差し障りの無い範囲で事例をご紹介したいと思います。
前置き
まず簡単に周波数共用についてご説明します。「周波数は限りある資源」
以前から言われていますように、無線システムが使用されるにつれ割り当てられる周波数が限界に近づきます。今までも周波数帯の引っ越しや周波数の有効利用を目的とした研究開発が行われていましたがますます逼迫しており、無線システムが同じ「周波数を共用」(周波数を相乗り)して利用することが現実的になってきました。
この技術を確立し課題や運用面での知見を得るための技術開発が総務省の国プロで行われています。
周波数共用は、アメリカでは既に実用化され、日本では2021年度の実用化を目指しています。
事例1. 多システムモニタリング装置
周波数共用を行うに当たり、実際の空をどのようなシステムの電波がどのように使用されているのか?そしてどのすれば周波数共用が出来るのか?を検討するために、実際に飛んでいる多数のシステムをセンシングするシステムをUSRPで開発しました。ノートPCにUSRP-RIOを接続して使用します。
多数システムをモニタリングすると言うことは、使用周波数帯がバラバラで150M、230M、400M、2.3Gを受信する必要があります。
ここではUSRP-RIOの各チャネルに対応するアンテナを接続し、中心周波数を切替ながら順番に一定時間受信します。
受信した帯域に電波に信号が含まれていたら、復調を行い、どのシステムが使用されているか判定し、記録します。
全体構成
USRPで様々な周波数を受信
事例2. 疑似LTE無線システム
電波の使われ方に特徴がある施設や場所があります。例えばショッピングセンターでは、昼間は買い物客のLTE通信が多く行われますが、夜間はお客さんがいないためLTEの電波は使われません。
ここに着目し夜間など空いている時間に他のシステム(IoT等)に開放することが出来るのでは?またそのために隣接チャネルに干渉を与えない技術が適用できるのでは?という点を実証するシステムを開発しました。
こちらは結構大規模なシステムで、LTE基地局を模擬するPXIシャーシ 1台と、LTE端末局を模擬するUSRP3台で構築しました。基地局と端末局の間は、本プロジェクトで開発したLTEを模擬したLTE互換無線システムが動作しており、双方向通信が可能です(MAC層は実装しませんでしたが、その上のレイヤーまではLTEと互換のシステムを実装しています。)
端末局は、ノートPCとUSRPがモーター駆動の台車に搭載され、疑似LTEシステムを経由して制御します。
基地局
18スロットのシャーシにFPGAボードを多数収容し信号処理する
端末局
ノートPCとUSRPはモーター駆動の台車に搭載。
LTE回線を通じて台車を移動させる。
ユーザが「電波使用状況シナリオ」に基づいて基地局のパラメータを変更すると、基地局から端末局へと各種パラメータが送信され、電波の使用方法を変更した状態を模擬することが出来ました。
基地局と各端末の間はIP Reachable(pingが通る)になっていて、pingを通す部分は弊社のEthernet over SDR技術を採用しています。
USRPでYoutubeを見る?! Ethernet over SDR技術とは?
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2020/06/usrpyoutube-ethernet-over-sdr.html
事例3. 受信キャリブレーション付きRF収録
異システムの共用システムを開発するにあたり、初年度はRF収録をし次年度以降FPGAのリアルタイム信号処理をしたいという要望を受けました。その初年度のお話です。送信側は、2台のUSRPから100MHz幅の信号を送信します。
受信側は、2台のUSRPから100MHz幅の信号を受信し(MIMO)、ファイルに記録します。
また受信側USRPはMIMO受信に対応するため、位相同期を行うためにリファレンスクロックやスタートトリガを共通で使用していますが、これでは不完全なためキャリブレーション機能を追加して位相合わせを行っています。
キャリブレーションを行うに当たり、送信アンテナとキャリブレーション用の信号の切替が発生しますが、手作業での切替作業は効率が悪いためRFスイッチを使用して自動化し、ユーザの手間と時間の削減をすることが出来ました。
受信キャリブレーションブロック図
まとめ
ドルフィンシステムでは、国プロで行う実証実験のシステム開発を受託し行う事が多くあります。今回は「周波数共用」についての事例についてご紹介しました。
実証実験のように様々な要素が絡み合い、途中で計画や仕様変更もあるような柔軟性が求められる業務では、SDR技術が役に立ちます。
ドルフィンシステムは、お客様との打ち合わせの中から要件を抽出し、
- この機能を実現するにはどのソフトウェア無線機をどのように組み合わせるのがいいか?
- このアルゴリズムはFPGAで処理するかCPUか?
- アンテナはこれでも良いのか?
- IQレートは間に合うか?
などなどいくつもの技術的要件を検討し、一つ一つ検証しながらお客様へと提案しお客様と仕様を作り上げていきます。
お問い合わせはこちらまで。
http://www.dolphinsystem.jp/contactus/
以上、ドルフィンシステム福島でした。
- リンクを取得
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- 他のアプリ
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