ドルフィンシステム移転完了しました。

Nextorage SSD NEM-HA1TBのベンチマークを行う

 2021/7/8 PC関連ニュースサイト各社から、

    「ソニー傘下のNextorage、PCIe 4.0対応の高速M.2 SSDをAmazonで発売」

というニュースが流れました。


シーケンシャルリード最大7,100MB/s(1TBモデルは7,000MB/s)、
シーケンシャルライト最大6,850MB/s(同5,500MB/s)、ランダムリード最大650K IOPS(同350K IOPS)、ランダムライト最大700K IOPSの高速アクセスが可能。高性能を求めるコアゲーマーやコンテンツクリエイターなどに最適とする。

ドルフィンシステムはコアゲーマーやコンテンツクリエイターではありませんが、RF収録には高速SSDがかかせません。

弊社のRF収録では、160M帯域幅を収録するために800MB/sのレートが必要です。USRP 4台同時収録なら3.2GB/sが必要で、収録中はこのレートが維持できなければなりません。

そのため常に高速に安定した書き込みが出来るSSDを探しているのです。
さてこのSSDはいかがでしょうか?

早速飛びつきました!


開封と挿入

というわけで、早速7/21発売日当日にamazonで発注。7/22に到着しました。

表面は、ヒートシンクなどはなし。熱対策は大丈夫なのでしょうか。


裏面には実装されていません。


今回 PCI Express x4のPCを調達できなかったので、x3でベンチマークをします。PCI Express x3のキャリアボードに搭載してPCに挿入します。



仕様など

カタログスペックで比較します。比較対象は高速SSD界の大御所Samsungの高速モデルです。
カタログスペックでは、長寿命でシーケンシャルライト/リードも申し分ありません。


さて、実測はいかがでしょうか?

Crystal Disk Info

電源投入回数が1というのは珍しいですね。
通常のSSDなら1~2になっているので出荷前検査で通電されている、と思いますが。


Crystal Disk Markの結果

SSD 1枚をEドライブにアサインしてベンチマークを開始。

あれ?以外と遅いな。


プロファイル : default

プロファイル : Peak


ちなみにこちらはSamsung 970 Evo Plus (1TB) on PCI Express x3の結果。
ベンチマーク条件が違いますが、だいぶ差が付いてますね。


ATTO Disk Benchmarkの結果

ついでATTO Disk Benchmarkでベンチマーク。
シーケンシャルライトが 1.6GB/s程度で張り付いています。これが上限か?


弊社のベンチマークソフトの結果

弊社で実装しているベンチマークソフトで、一度に書き込むサイズを変えながら30秒間の連続書き込みを実行。最大で2.5GB/s程度で、1.2GB/sに届かない結果も出ています。

これはちょっと遅いかも。


弊社のベンチマークソフトで全領域書き込みの結果

さらに別の弊社製ベンチマークソフトでディスク全領域(Fill 95%)に渡って、4MBずつ書き込みを実行しました。

その結果が、下の図です。

上段 : 過去1秒間のシーケンシャルライトレート
中段 : ディスク温度 (S.M.A.R.T.)
下段 : 書き込み間隔 (write関数の実行間隔をns単位で計測)




サーマルスロットリングについて

まず上図中段のグラフを見ると、ベンチマーク開始とともにディスク温度が45℃から75℃まで上がり、その後は70℃で安定しています。そして書き込みレートも一定です。ということはサーマルスロットリングは発動していないと思われます。


サーマルスロットリングが発動すると、

SSD書き込み→SSD温度が上がる→書き込みを遅くする→SSD温度が下がる→SSD速度が上がる→SSD温度が上がる、

という挙動になるので温度グラフは温度が上がったり下がったりし、同期して転送レートも上げ下げするので、「ノコギリの歯」みたいになりますが、多くの時間帯ではそうはなっていません。

最後の方はサーマルスロットリングが発動しているようなグラフになっていますが、温度は変わっていませんのでサーマルスロットリングとは別の要因でこのグラフになっていると思います。

全体的に、サーマルスロットリングは発動していない、と考えて良さそうです。


書き込みのレートについて

書き込みのレートを見てみると、最初の一秒だけ 2.5GB/s のレートが出ています。

これはSSDの書き込みキャッシュに書き込まれて高速になっているようです。SSDの書き込みキャッシュはDRAM等が搭載されているので、高速に書き込みが出来ているように見えているだけですね。

念のためOSの書き込みキャッシュを有効にしても、無効にしても同じ傾向でした。(上図は、OS書き込みキャッシュ有効時)

高速になっているのは、1秒分なのでキャッシュは3GB程度なのでしょう。


書き込みから2秒目には、500MB/sに急降下。その後は、200MB/sという悲劇的なレートに落ち着きます。

最後の方は、200MB/sに届いていません。

ちなみに下図が、47秒以降を拡大したレートのグラフです。100MB/s台もありますね。


この時のベンチマーク実行中のタスクマネージャの様子。93.8MB/sとはこれはちょっと遅い。


書き込み間隔について

弊社のベンチマークソフトは、SSDに対してwrite関数でデータを書き込んでいきます。このwrite関数を実行した間隔が下段のグラフです。高速なSSDなら書き込み間隔が短く、低速なSSDは書き込み間隔が長くなります。


たとえば、1MBを1ms間隔で書き込めた場合、
1秒 = 1ms * 1000回
なので、
1MB * 1000回 = 1000 MB/s
となり、
約1GB/s
となります。

47秒以降を拡大してみると、書き込み間隔が20~60ms程度ですね。これは遅い。



ちなみに最初の0.5秒は、1~2msなので比較的高速ですね。


ちなみにこちらがSamsung 970 Evo Plusの転送レートと、書き込み間隔。(温度は取得するのを忘れた)


レートもほぼ一定で、書き込み間隔も一定。


書き込み間隔をズームすると、この通り。
時々時間が掛かっているものの、ほとんどが200usを下回る間隔で書き込まれています。


う~ん。シーケンシャルライトはまだまだSamsung 1強が続きそうですね。


まとめ

今回ソニー製のSSDに後先を考えず飛びついたところ、残念な結果になりました
安定して高速なシーケンシャルライト性能が必要な弊社にとっては。シーケンシャルライト性能に期待していたのですが。

このSSDは高速なレートで全領域書き込むような粗暴な使い方は想定していないようです。

それにしてもコアなゲーマーはこれで満足できるのか?


とほほ。


購入してしまったSSDは、システムのブートドライブにでも使います。

それにしてもSamsungのSSDはよく出来ているなぁ、感心します。


以上、ドルフィンシステム福島でした。


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