こんにちはドルフィンシステム福島です。
早いものでもう2021年も終わりそうです。
今年はコロナの影響なのか、11月末になっても新規開発のお問い合わせを頂いています。どうも各所の遅延が加算されてズレ込んできているようで、例年にはなくスタートが遅いプロジェクトがいくつもあります。
年度末の納品までに頑張って行きたいと思います。
USRP-RIOの2954等にはGPSDOが搭載されています。
このGPSはUSRPのFPGAと直結しているので、GPSから流れてくるNMEAをFPGA内部で処理することやGPS PPSと同期してデータの送受信が出来るなどがあります。
また、
- USRPの10MHz REFCLKがGPSDOの高精度クロックに同期する
- GPSがロックすると10MHz REFCLKが更に高い精度で駆動する
- PPSもGPSの精度で出力される
等の利点があります。
で、USRP起動時に流れてくるNMEAにはGPSDOのバージョン情報が含まれています。
それが以下。
$GPTXT,01,01,02,u-blox ag - www.u-blox.com*50
$GPTXT,01,01,02,HW UBX-G60xx 00040007 FF5FFFFFp*51
$GPTXT,01,01,02,ROM CORE 7.03 (45969) Mar
$GPTXT,01,01,02,u-blox ag - www.u-blox.com*50
$GPTXT,01,01,02,HW UBX-G60xx 00040007 FF5FFFFFp*51
$GPTXT,01,01,02,ROM CORE 7.03 (45969) Mar 17 2011 16:18:34*59
$GPTXT,01,01,02,ANTSUPERV=AC SD PDoS SR*20
$GPTXT,01,01,02,ANTSTATUS=DONTKNOW*33
$GPRMC,,V,,,,,,,,,,N*53
ログを見るとGPSDOに搭載されているGPSコントローラーは、u-blox製の2011年のものだと言うことが分かります。
世代的にはu-blox NEO-6かNEO-5と思われます。2021年現在の最新は第9世代なので、3～4世代前のGPSが搭載されているようですね。
この世代は、みちびきやbeidoにも対応していない(確か)のでロックまで時間が掛かります。
ちなみにアマゾンで1000円程度で安売りされているGPSは、古い世代のGPSコントローラーが搭載されていて精度に劣ります。少なくとも2021年現在であれば、第8世代の u-blox M8Tあたりが搭載されているGPSを購入するのがオススメです。
捕捉出来る衛星数の差
弊社保有の第9世代 u-bloxの"u-blox ZED-F9P"と比較してみます。
同じ場所に同じスペックのアンテナを並べて、受信を行いました。
USRPのGPS
USRPのGPSは捕捉衛星数9ヶで、良好は6ヶ。捕捉しているのはGPSのみ。
第9世代のGPS
第9世代は、21ヶの衛星、感度良好 13ヶ。3DでFixしています。
GPSに加え、GLONASS、Beidoも捕捉しています。
USRPと第9世代の差は、GPS以外のGLONASSやbeidoを捕捉しているかどうか。
世代が上がる毎に同時受信可能衛星数も向上しているので、ここが差が付いているようです。
捕捉しているGPSのみの比較
捕捉しているGPSで比較すると、USRPの方が捕捉GPS数は多いですね。
第9世代が劣っていると言うよりも、GPS処理能力をGLONASSやbeidoに使い切っているだけのような気がします。
FIXするまでの時間
同時に同一場所で動かしたGPSのNMEAログを見ると、FIXするまでの時間を比較できます。
GPGSAのNav modeの値がFixを表しています。
第9世代は、27秒で3D Fixしましたが、USRPは倍の61秒程度かかっています。
USRPはもっと時間がかかるかと思いましたが、意外と早かったです。
※各GPSをコールドスタートさせ、最初に記録されたUTC時間と各FIXした時間の差を計測。F9Pは、u-center→Receiver→Action→Cold Start。USRPは、FPGAリファレンス→インボークノード→ダウンロード。
まとめ
- USRP GPSDOのGPSコントローラーは、2011年の製品。
- 世代的にはu-blox NEO-6かNEO-5などの2～3世代前のもの
- USRP GPSDOは、GLONASSやbeidoに対応しておらず捕捉衛星数に劣る
- FIXまでの時間も第9世代と比較すると倍程度時間がかかる
以上、ドルフィンシステム福島でした。
コメント
コメントを投稿