USRPの周波数安定度まとめ



こんにちは。ドルフィンシステム福島です。

前回の「同じAD936x系USRPでもEVMは違うのか。この差は◯◯が原因か?」でAD936x系RFICを搭載しているUSRPを信号源としたEVM評価を行いました。

そういえばUSRPの周波数安定度をまとめてないな、と気づいたので、今回あらためて整理しました。

USRPのクロック源はオンボードクロックとGPSDOがあります。
さらにGPSDOは、GPSとロックしているかどうかで精度が変わります。もちろんロックしている方が精度が高いです。

周波数安定度一覧

以下の表の見方です。
1行目は「B200で内蔵クロック(TCXO)を使用した場合の安定度は2ppm。中心周波数下限の場合は最大140Hz のずれがあり、上限6000Mでは 12 kHzのズレが有る」となります。

3行目は「B200でTCXOタイプのGPSDOを搭載しGPS同期している場合の安定度25ppbで、ズレは0.0007Hz~0.06Hzである」となります。

このように、GPSDOは搭載しているだけでなく、GPSにロックしているかどうかで精度が大きく変わります。屋外実験する場合は、GPSアンテナを設置し接続しておくだけでもいい状態での収録再生が出来そうですね。

モデル 基準クロック クロックタイプ GPS同期 精度 (ppm) 下限周波数 (Hz) 下限でのズレ (Hz) 上限周波数 (Hz) 上限でのズレ (Hz)
B200 / B210 内蔵 TCXO 2 70M 140 6000M 12 kHz
GPSDO TCXO 0.075 70M 5.25 6000M 450
GPSDO TCXO 0.00001 70M 0.0007 6000M 0.06
GPSDO OCXO 0.025 1M 0.025 6000M 150
GPSDO OCXO 0.00001 1M 0.000 6000M 0.06
B20x/mini 内蔵 TCXO 2 70M 140 6000M 12 kHz
E320 GPSDO TCXO 0.1 70M 7 6000M 600
GPSDO TCXO 不明 70M 6000M
N300 / N310 GPSDO TCXO 0.1 10M 1 6000M 600
GPSDO TCXO 不明 10M 6000M
X300 / X310 内蔵 TCXO 2.5 10M 25 6000M 15 kHz
GPSDO OCXO 0.025 10M 0.25 6000M 150
GPSDO OCXO 0.00001 10M 0.0001 6000M 0.06
X410 GPSDO OCXO 2.5 1M 2.5 7200M 18 kHz
GPSDO OCXO 0.005 1M 0.005 7200M 36
X420 GPSDO OCXO 2.5 1M 2.5 20000M 50 kHz
GPSDO OCXO 0.005 1M 0.005 20000M 100
X440 GPSDO OCXO 2.5 1M 2.5 20000M 50 kHz
GPSDO OCXO 0.005 1M 0.005 20000M 100

参考にしたページ

https://www.ettus.com/wp-content/uploads/2019/01/b200-b210_spec_sheet.pdf
https://www.ettus.com/wp-content/uploads/2019/01/USRP_B200mini_Data_Sheet.pdf
https://www.ettus.com/wp-content/uploads/2019/01/USRP_E320_Datasheet.pdf
https://www.ettus.com/wp-content/uploads/2019/01/USRP_N310_Datasheet_v3.pdf
https://www.ettus.com/wp-content/uploads/2019/01/X300_X310_Spec_Sheet.pdf
https://kb.ettus.com/X300/X310?__cf_chl_f_tk=xvyt9ACdzAfs7kByWhDZPbKYh12qG.GBmh0nqeI8e.4-1783412367-1.0.1.1-0J2MT2_2Vo5vI.uachRsjFwE_1S6AguQDoK0BbfW27k#Option:_GPS_Disciplined.2C_Oven-Controlled_Oscillator_.28GPSDO.29
https://www.ettus.com/all-products/gpsdo-mini/
https://www.ettus.com/all-products/gpsdo-tcxo-module/
https://www.ni.com/docs/en-US/bundle/ettus-usrp-x410-specs/page/specs.html?srsltid=AfmBOopkRUDiA6WT2BzqoIx3ME8mR5VgYd9UVp1feYON6Uz_VKAO6u_6
https://www.ni.com/docs/en-US/bundle/usrp-x420-specs/page/specs.html?srsltid=AfmBOorCZ5ppqdj4DDxeUzoEsBXx7jyYivuh2eUjoYwSXII9p0VePLqY
https://www.ni.com/docs/ja-JP/bundle/ettus-usrp-x440-specs/page/specs.html?srsltid=AfmBOopqpG7l1eAtH8Som93WuLr-NBVALM96UEyyh7xwzPsdTdT3or0w

簡単な一行コメント

B200 / B210やB20x miniの内蔵TCXOは2 ppm程度です。6 GHzでは約12 kHzのズレになります。

B200 / B210にGPSDOを搭載すると、GPS未ロック時でも0.075 ppmや0.025 ppmとなり、6 GHzで数百Hz程度まで改善します。さらにGPSにロックすると、6 GHzでも約0.06 Hzまで小さくなります。

X300 / X310も同様に、内蔵TCXOでは2.5 ppm、6 GHzで約15 kHzのズレです。OCXO GPSDOを使うとGPS未ロック時で0.025 ppm、GPSロック時で0.00001 ppmとなり、6 GHzで約0.06 Hzになります。

E320やN300 / N310は、GPSDOのTCXO精度として0.1 ppm程度です。GPS未ロック時には6 GHzで約600 Hzのズレになります。GPSロック時の具体的な精度は、今回の調査では明確な値を確認できませんでした。

X410 / X420はGPSロック時の精度が0.005 ppmです。X410の7.2 GHzでは約36 Hz、X420の20 GHzでは約100 Hzのズレになります。

まとめ

周波数安定度は、普段はあまり意識しないかもしれません。
しかし少しでも周波数安定度を高くしておくことで、周波数ズレを小さくして長時間収録や長時間の実験などで良い結果を得られることになるかもしれません。

USRPを使用する際「デフォルトでは内蔵クロックを使用している」ことも多いので、GPSDOを搭載している場合でも、実際にGPSDOを基準クロックとして使用しているか、さらにGPSにロックしているかを確認しましょう。

ドルフィンシステムのRF収録再生システムはデフォルトでGPSDOを有効にしているので、周波数安定度の高い収録が可能です。

RF収録再生システム
https://rfcapture.dolphinsystem.jp/

以上、ドルフィンシステム福島でした。

コメント