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Linux版 LabVIEWでSDR開発を試して見る (1)

こんにちはドルフィンシステム福島です。
4月から新しい期が始まりました。

弊社では例年1月2月が納品ラッシュで3月中は納品後のフォローなどを行い、4月から時間のある落ち着いた日々がやってきます。
この時期は試行錯誤の期間にあてています。
気になっていた事などを試したり、実験したり、環境を整備したりと、重要な時期です。

が、今年はスタートダッシュが早いお客様が多く、早くも4月から動きがあります。新型コロナや電子機器の逼迫の影響でスケジュール狂うことが多かったためか、今期は早め早めに動いておられるようです。

合間を縫って、ぼちぼち色々なことを試していきたいと思います。


LabVIEWとNI-USRPのLinux版リリースでLinux上でUSRP開発が出来る環境が整った

SDR開発を行うためのOSの選択肢はいくつかありますが、主にはWindows、Linux、MacOSです。

Windows上ではLabVIEWやMATLAB等の商用開発環境が、Linux上ではGNU Radio等のオープンソースソフトウェアが主に使われています。


今までドルフィンシステムは、

  • Windows + LabVIEW

の組み合わせが多かったのですが、SDRに対する要望の多様化で、

  • Linux + GNU Radio
  • Linux + UHD

などの組み合わせも増えてきています。

GNU Radioはオープンソースなので低コストで導入可能なのですが、少し突っ込んだ使い方をしたい場合に途端にハードルが上がったり、トラブル発生時に自分で対処しないといけないなどのデメリットもあります。

対してLabVIEWやMATLABはイニシャル/ランキングコストがかかりますが、効率的な開発環境でサポートなどもあるためトータルコストでは低い(恐らく)、と思います。

2022/02/16にリリースされたLabVIEW 2021 SP1は、Ubuntu Linuxをサポートするようになりました。また2021/10/27にリリースされたNI-USRPドライバ 20.1からLinux版も提供されるようになりました。

この2点のおかげでLinux上でLabVIEWを使用したSDR開発が容易に出来る環境が整いました。


動作環境の確認

Linux ディストリビューションによって動作するLabVIEWのバージョンが異なります。詳細は以下のページに書かれていますが、LabVIEW 2021 SP1からはUbuntu 18, 20が動作環境に加わりました。


LabVIEW​と​Linux OS​と​の​互換性
https://www.ni.com/ja-jp/support/documentation/compatibility/20/labview-and-linux-os-compatibility.html




次にLabVIEWからUSRPを制御するためのソフトウェア集NI-USRPドライバを見てみます。以下のURLのページから、「サポートされているOS」に"Linux"の選択肢がありますね。


NI-USRP
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/drivers/download.ni-usrp.html#437034


ちなみにNI.comにある以下の記事 (2020/05/27公開)では、NI-USRPドライバ(Linux版)リリース前なのでLabVIEW(Linux版)でNI-USRPプログラミングが出来ませんと書かれています。上記の通り2021/10月から出来るようになっています。

Programming NI USRP using LabVIEW for Linux
https://knowledge.ni.com/KnowledgeArticleDetails?id=kA00Z000000kFlxSAE&l=ja-JP


LabVIEWのダウンロード

まずLabVIEWをダウンロードします。

以下のURLのページに移動し「サポートされているOS」を"Linux"に、「バージョン」を"2021 SP1"を選択します。

「含まれるエディション」は、今回は無償で使用できるコミュニティエディションを選択します。「ダウンロード」ボタンを押して、ISOイメージをダウンロードします。


LabVIEWのダウンロード
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/software-products/download.labview.html



LabVIEW Community Editionとは

LabVIEW Community Editionは、非商用・非学術目的で無償利用可能な環境で、主にHobbyist向けの環境です。内容はProfessional Editionと同等なので、全部入りですね。

使用条件や他のエディションとの比較は以下のページから確認して、ダウンロード・使用するようにしてください。


LabVIEW Community Edition
https://www.ni.com/ja-jp/shop/labview/select-edition/labview-community-edition.html


LabVIEW​エディション​を​選択
https://www.ni.com/ja-jp/shop/labview/select-edition.html


NI-USRPのダウンロード

次にNI-USRPドライバを以下のURLからダウンロードします。


NI-USRP
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/drivers/download.ni-usrp.html#437034


「サポートされているOS」を"Linux"に、「バージョン」を"21.0"を選択します。

「ダウンロード」ボタンを押して、ISOイメージをダウンロードします。

ダウンロードページにインストール方法が書かれているので、見ておきましょう。



次​の​ステップ

  1. rpmコマンド​と-​I​フラグ​を​使用​し​て、​リ​ポジ​トリ​アド​オン​を​インストール​し​ます。
    rpmコマンド​の​詳細​について​は、​ターミナル​プロ​ン​プ​ト​からman rpmと​入力​し​て、​man​ページ​を​参照​し​て​くだ​さい。
  2. Linux​ディス​トリ​ビュ​ー​ション​の​パッケージ​マネージャ​を​使​って、​必要​な​NI​ドライ​バ​ソフトウェア​を​ダウンロード​し​ます。​
    リ​ポジ​トリ​アド​オン​が​正しく​構成​さ​れ​たら、​Linux​ディス​トリ​ビュ​ー​ション​の​パッケージ​マネージャ​で​NI​の​ドライ​バ​ソフトウェア​を​ダウンロード​し​て​インストール​できる​よう​に​なり​ます。
  3. インストール​が​完了​したら​システム​を​再​起動​し​ます。
    ご​注意:​再​起動​すると、​システム​は​新​しく​インストール​さ​れ​た​モジュール​の​最新​リ​ビジョン​を​インストール​し​ます。​この​プロセス​は​自動​で​行​われ、​インストール​さ​れる​ソフトウェア​の​量​によって、​数分​かかる​可能性​が​あり​ます。​ハードウェア​を​使用​する​前​に​確実​に​この​プロセス​を​完了​する​に​は、dkms autoinstallという​コマンド​で​この​ステップ​を​手動​で​実行​さ​れる​こと​を​お​勧め​い​た​し​ます。


まとめ

  • LabVIEW 2021 SP1 (Linux版)からUbuntu 18, 20で動作するようになった。
  • NI-USRPドライバ 20.1からLinux版LabVIEWで動作するようになった。
  • LabVIEW Community Editionは、Professional Editionと同等(全部入り)。
  • LabVIEW Community Editionは、非営利・非学術なら無償で使用可能。

次回以降、動作確認をしていきます。

以上、ドルフィンシステム福島でした。


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