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NI Days 2018 来場頂き誠にありがとうございました ~ 技術セッション振り返り~

こんにちはドルフィンシステム福島です。

先週10/5 にNI Days 2018が無事終了いたしました。
会場に足をお運び頂き、誠にありがとうございました。

また弊社ブースや技術セッションにお立ち寄り頂いた皆様、弊社説明員の説明がどこまで行き届いていたでしょうか?至らないところもあったかと思います。

もしご意見・ご感想・ご質問がありましたら、是非こちらからお寄せ頂ければ幸いです。

ブログでは、今回から数回に渡り、NI Days 2018の技術セッションで講演した内容を、お送りしたいと思います。


前置き

SDRとは"Software Defined Radio"の略で、直訳すると“ソフトウェアで定義された無線”となります。

この言葉自体は、あまりに単純でこれだけでSDRの世界を理解することが出来ません。

ここから数回はSDRの世界について解説します。


SDRの定義と原理

SDR = “Software Defined Radio”
直訳すると"ソフトウェアで定義された無線“

繰り返しになりますが、SDRとは"Software Defined Radio"の略で直訳すると“ソフトウェアで定義された無線”となります。

この原理自体は簡単です。

当初の無線機はアナログ回路で構成されていましたが、進化とともにデジタル回路で構成されていくようになりました。デジタル回路で処理している内容を、プロセッサやFPGAなどでソフトウェア処理をしてしまおう、というのがSDRの基本原理です。

この原理に基づくと、無線機としての振る舞いを柔軟に変えられるし、ソフトウェアエンジニアでも開発することが出来る、というメリットを追求することが可能になります。

このSDRを実現する無線機が、ソフトウェア無線機と呼ばれています。

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SDRの誤解

“SDR“と検索すると「ソフトウェアで信号処理する無線機」であるかのような解説が散見されますが、これはSDRという概念とハードウェア(ソフトウェア無線機)と取り違えていますので、混同しないように注意が必要です。

SDR = ソフトウェアで無線を処理する世界
主にソフトウェア無線機が使われる

SDRの歴史

次に、SDRの歴史を簡単に振り返ります。

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SDRは意外と古く、1970年代にアメリカの軍事技術として研究が開始され、80年代には実用化しています。90年の湾岸戦争を経て米軍内部の通信方式を統一するという目的の元、SDRの開発が加速しました。

これとは別の流れもあります。

90年代~2000年頃、アメリカのアマチュア無線家等が中心になって、ソフトウェア無線機やそのソフトウェアを自ら開発し、ネット上でソースコードや回路図をお互いに公開するようになりました。オープンなSDRコミュニティが立ち上がったのです。

現在のオープンソースのSDRソフトウェア環境として著名なGNURadioも2001年からプロジェクトが始動しており、この中心メンバーの Matt Ettus氏が2004年にソフトウェア無線機を販売する会社 Ettus Researchを設立します。

このEttus Researchでは、GNU Radioに対応したソフトウェア無線機をグローバルに販売を開始し、一般の人の手に届く価格で提供されました。

2000年代前半では、SDRのソフトウェア環境とハードウェア環境が整備され、オープンなSDRが広まる基盤が生まれました。

2010年にNI(ナショナルインスツルメンツ)がEttus Researchを傘下に納めます。

NIは以前から "Software Defined Instruments(ソフトウェア定義の測定器)"というコンセプトをベースに、PCベースでソフトウェア制御可能なモジュール式計測器の製品ラインナップとソフトウェアライブラリを拡充していました。ここにSDRが加わったのです。

2014年にEttus ResearchとNIからFPGA搭載型のソフトウェア無線機USRP-RIOが販売開始され、2015年にはUSRP-RIOを使ったシステムがルンド大学とブリストルの共同研究で採用され周波数数利用効率の世界記録を達成しました。

2000年のコミュニティが立ち上がってから20年前後で世界記録を樹立するまでになったのは、献身的なコミュニティによる開発と、企業のR&D資金が投資され加速した結果です。

まとめ

  • SDR = “Software Defined Radio”
  • 直訳すると"ソフトウェアで定義された無線“
  • SDRの原理は、アナログ回路→デジタル回路と進化してきた無線機の信号処理部をソフトウェアで処理するという流れ。
  • SDRを実現するハードウェアが、ソフトウェア無線機。
  • SDRの歴史は軍事とコミュニティの2つの流れがある。
  • ナショナルインスツルメンツのSDRは、コミュニティの流れ。

次回はSDR技術で使われるハードウェア「ソフトウェア無線機」の概要についてご紹介します

もしご意見・ご感想・ご質問がありましたら、是非こちらからお寄せ頂ければ幸いです。

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