USRP B200やE310/E320等AD9361を使用しているSDRデバイスは高調波・低調波に注意

USRP B200(NI USRP-2900)は、USB一本でバスパワーで動作するし小型なのでとても重宝する・・・と思いきや意外とすんなり行かないUSRPです。
データシートに表れてこない問題が色々とあるんですよね。

USRP-RIOに比べてデータ落ちしやすいなど。

で、今回お伝えする問題は、

AD9361を使用しているUSRPは、

奇数倍の高調波・低調波が発生します

(B200シリーズ, B200miniシリーズ, E300シリーズ、N310(AD9371を搭載)

これはUSRPの問題と言うよりも、対象とするUSRPが搭載しているAD9361というRFICの振る舞いによるものと思われます。


449.8MHzの正弦波をいれてみる

ナショナルインスツルメンツ製NI PXIe-5646RのSG機能を使って、中心周波数449.8MHz の正弦波をUSRP Bシリーズに入れてみます。

すると下図のようにB200, B210, B200mini3台で、ちょうど 1/3の147Mの所に信号が見えました。
(受信しているUSRPの中心周波数は DCオフセットと見分けがつきやすいように149.2Mにしてあります。)


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※計測時のスクリーンショットを無くしてしまったので上の出力レベルは適当です。


B200
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B210
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B200mini
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B210でのまとめ

141Mに -10, -30, -50dBmの入力信号を入れた際のB210の高調波の受信レベルです。
※キャリブレーションをしていないので、-30dBmの信号をいれても-26.7dBmとなっています。

987MHzまでいくと影響はほぼありませんが、423MHzではバリバリ入ってます。

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こちらは1.3GHzを入れた際の低調波です。
こちらの方が深刻ですね。

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まとめ

AD9361を搭載しているUSRP(に限らずSDRデバイス)では、高調波・低調波がそれなりに高いレベルで観測されます。

今後AD9361を搭載しているUSRPの使用を検討する場合は、実際に使用する周波数帯だけでなく奇数倍の高調波・低調波も視野に入れて検討して下さい。


以上、ドルフィンシステム福島でした。

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