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こんにちはドルフィンシステム福島です。
前回は「PCI Express x1スロットから4つのPCI Expressスロットを拡張するボード」を使用して、PC1台に複数台のUSRP-RIOを接続し使用する事が出来ました。
なぜ福島は、このような実験をしているのか?
さてここで疑問が沸かないでしょうか?
出所の怪しい仮想通貨採掘用のライザーカードなんて買って何をしているのか?USRP-RIOを使って採掘をしているのか?
一体なんでしょうか?
実験の本当の目的
本当の目的は、
「PXIシャーシではなく通常のPCで、P2Pを使った転送はできるのか?
できる場合はどのハードウェアがP2Pをサポートしているのか特定する。」
です。
一体どういうことなのか、ご説明します。
あと、当分ライザーカードは関係がない話になりますので、頭から消し去って下さい。
NI P2Pテクノロジーについて
NI P2Pテクノロジーというものがあります。
これは、以下のようにPXIシャーシに接続した、デバイス同士直接データをやりとりすることができます。
例えば、1台のUSRP-RIOで受信したデータを、直接もう1台のUSRP-RIOに転送することができます。
通常(P2Pを使わない場合)デバイス間でデータを転送する場合は、一度ホスト側ソフトでUSRP-RIOからデータを受信し、もう1台のUSRP-RIOに転送するコードを記述する必要があります。
この場合ソフトウェアで動作させるので「CPUが間に合わないとデータ落ちが発生」します。
ですがP2Pの場合は、データ転送をハードウェア(PCI ExpressのDMA)が行ってくれるので、
- バスの帯域幅を超える転送がされていなければ
- 送受信側が間に合うようにデータの送受信をしていれば
基本的にデータ落ちは発生しないので確実な転送を保証することができます。
NI P2Pが使えるハードウェアについて
NI P2Pは、どのハードウェア(シャーシ・コントローラー・モジュール)でも使えるというものではありません。
P2Pをサポートしているハードウェアは決まっております。
サポートされているハードウェアは、このページにリストアップされています。(調べた限りではUSRP-RIOのハードウェア仕様書や取扱説明書には、P2P対応が書かれていないので注意です。)
ピアツーピアストリーミングの概要
http://www.ni.com/white-paper/10801/ja/
さて、P2Pを使うハードウェアを選定する場合、PXIシャーシ上で使う分には以上のリストや仕様書を確認すれば良いですが「通常のPCでP2Pを使いたい場合」どうやって確認すればいいのでしょうか?
「現場現物」のドルフィンシステムは、自分たちで情報を集め自分たちで費用を出して、いろいろ実験を行います。一言で言えば「物好き」です。
では続きは次回で。
まとめ
- P2P転送を使うと、デバイス同士直接データをやりとりすることができる。
- P2P転送なら、PCI ExpressのDMA機能を使って転送されるのでハードウェアレベルで転送が行われる。
- ハードウェアレベルで転送が行われるので、転送にソフトウェアは介在しない。よってCPUの負荷増大によってデータ落ちが発生することはない。
- P2PをサポートしているNI製品は、NI P2Pホワイトペーパーに書かれている。
- NI製品以外のP2Pをサポートしている製品については情報がない。
私たちドルフィンシステムは、ドキュメントに書かれていない情報を見つけるために回り道と思われるようなこともしています。しかしこのような活動をベースにお客様の様々な要望に答えられるような知見の蓄積・環境の構築を行い、最適な無線システムを提案していけるよう努力しております。
以上、ドルフィンシステム福島でした。
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