【第2回】USRPの受信ゲイン設定と受信レベルを関連を調査する

こんにちはドルフィンシステム福島です。

今回は前回に引き続きUSRPのレベル設定について調べてみます。

前回では、製造元 Ettus Researchが公開しているRF Performance Data記載の送信ゲインを設定して送信したところ、記載されているレベルでRF送信された事を確認しました。

また翌週に笹生から補足記事も出ました。

【前回】USRPの送信ゲイン設定で出力レベルはどうなる?
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2023/02/usrp.html

弊社福島ブログ「USRPの送信ゲイン設定で出力レベルはどうなる?」の補足
http://dolphinsasoh.blogspot.com/2023/02/usrp.html

今回は受信ゲインを調査します。


受信ゲインの設定

受信ゲインに関しての測定データもRF Performance Dataに記載されています。

RF Performance Data (※ 32MBのPDFなので注意)
https://kb.ettus.com/images/a/ae/B200mini_B205_RF_Performance_Data_20160119.pdf

例えば2000MHzでのRx Gain設定は上記PDFの83ページ目にグラフ(Rx Figure vs Gain w/Freq =xxx)があります。


このグラフは、X軸が設定したゲインの値、Y軸が増幅される値がプロットされています。

これによると、

  • Rx gain 30dB設定で、+20dBm分受信感度が上がる
  • Rx gain 23dB設定は、+14dBm上がる

と読み取れます。
この差はちょうど6dBmなので受信ゲイン設定30dBと23dBでは振幅が半分になるはずです。
早速試して見ます。


受信レベルの測定

前回と同じ環境で、PXIe-5646Rから出力したCWをB200mini-Iに入力して収録したIQデータの振幅を観測して測定します。

測定は、前回と同じくUHDサンプルを使用します。

実行例)
rx_samples_to_file.exe --freq 2000e6 --rate 1e6 --gain 30
rx_samples_to_file.exe --freq 2000e6 --rate 1e6 --gain 23

概ねRF Performance Data通りの結果が得られました。

受信ゲインに関してもRF Performance Dataを参考にすれば受信レベルを指定することが出来ることが分かりました。

受信ゲインIQの範囲
30dB7600~-7600
23dB3600~-3600

まとめ

  1. USRPで受信レベルを指定したい場合は、Ettus Reserchが公開している資料を探す。
  2. 資料はKnowledge baseにある各機種の"RF Performance"にリンクされている。

    例) Knowledge base : B200/B210/B200mini/B205mini
    https://kb.ettus.com/B200/B210/B200mini/B205mini

  3. 計測した結果送信ゲインはグラフと同じ結果を得ることが出来た。
  4. 3. RF特性は各ドーターボード、各中心周波数毎に変わるので注意。

以上、ドルフィンシステム福島でした。



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