vProをセットアップして完全リモート操作環境を構築する (2)

こんにちはドルフィンシステム福島です。


前回は、リモート制御する準備を行いました。
vPro対応PCのBIOSでvProを有効にして、固定IPアドレスを設定しました。

今回は、遠隔制御アプリをインストールして遠隔制御を行います。

【前回】 vProをセットアップして完全リモート操作環境を構築する (1)
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2025/01/vpro-1.html


vProを使った遠隔制御をする

vPro対応のアプリはいくつかリリースされていますが、今回はオープンソースの「Mesh Commander」を使って遠隔制御を行います。電源オンオフ、BIOS画面の制御、リモートデスクトップを行います。

前回説明したようにハードウェアレベルの遠隔制御なので、PC上にインストールされているOSやアプリとは無関係に動作します。


vPro対応の遠隔制御アプリをインストールする

まずMesh Commanderをダウンロードしてインストールします。


MeshCommander
https://www.meshcommander.com/


記事執筆時点の最新バージョンは0.9.6。
インストーラーをダウンロードしてインストールします。


遠隔制御するPCはシャットダウンしておく

遠隔制御するPCは、電源ケーブルは接続したままシャットダウンしておきます。

この状態で「PCの電源は入ってないけれどLANポートは通電している状態」になります。


遠隔制御を行う

Mesh Commanderが起動したらまず遠隔制御するPCを登録します。"Add Computer"ボタンを押してください。




開いたダイアログにBIOSで設定した遠隔制御PCの情報を入力し、OKボタンを押します。

Friendry Name : PCの名称をお好きに
Hostname : BIOSで設定した固定IPアドレス
Auth / Security : Digest / TLS
Username : admin
Password : BIOSで設定したvProのパスワード


PCが登録されたら"Connect"ボタンを押します。


初回接続時は、認証情報(Finger Print)が表示されますので、接続先が正しければOKボタンを押します。

接続をすると、PCからの情報が徐々に表示されていきます。
最初は左側の項目が3つほどしか表示されていません。


取得できた項目から表示が徐々に追加されます。表示完了を待つ必要はないので、System Statusをクリックします。
PCの電源は入っていないのでPowerの項目が"Soft off"になっています。


リモートデスクトップの設定を行う

では試しにリモートで電源オンしてBIOS設定を行ってみましょう。

System Statusの"Remote Desktop"をクリックして設定を行います。


デフォルトではセッションタイムアウトが3分になっており、接続して何もせず3分経過すると自動的に切断されてしまいますので、0にして接続状態を保つようにします。


次に認証設定を行います。

デフォルトで"User Consent"が"Required for KVM only"か"Always Required"になっているので、クリックして"Not Required"にします。
(Requiredにするとリモートデスクトップ接続時に認証が入ります)


リモートデスクトップで接続してBIOS設定を行う

次に左側の項目から"Remote Desktop"をクリックして、表示された画面の"Connect"ボタンを押します。しばらくすると"Disconntedted→Connected"になりリモートデスクトップが接続状態になります。


接続状態になったら"Power Actions"をクリックして"Power up to BIOS"をクリックして電源を入れます。


では"Power Actions"ボタンかSoft Off"をクリックすると、電源操作の選択肢が表示されます。
"Power up"なら普通に電源オン、"Power up to BIOS"なら電源オンしてからBIOS画面に入ります。


すると自動的にPCの電源が入り、BIOS画面が表示されます。


デフォルトでは256色表示なのでグラデーションがきれいではありませんが、"Settings"ボタンを押して"Image Encoding"を"RLE16, 64k Colors"にすると大分きれいになります。

リモートデスクトップ接続が出来ているので、キーボードとマウスで普通にBIOS設定ができます。"Save & Exit"でBIOS設定を終了させるとOSが起動します。


無事Ubuntu Linuxが起動しました。


普通に起動する

上の手順では"Power up to BIOS"にしたのでBIOSが起動しましたが、"Power up"にすると電源投入後OSが起動します。

無事PCの電源が入ったでしょうか?
電源が入ってしばらくすると"Power on"に表示が変わります。


VPN越しに遠隔制御する

vProはTCP/IPで接続しているため、TCP/IPが接続されいればVPN環境でも使うことが出来ます。ドルフィンシステムではリモート電源タップと以下を組み合わせてUSRPの電源投入も遠隔でできるようにしております。

USRP N310, N320, N321で通電したら自動で電源オンをする
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2024/06/usrp-n310-n320-n321.html

以上、ドルフィンシステム福島でした。



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