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こんにちはドルフィンシステム福島です。
前回では「何故USRP-RIOを仮想通貨マイニング用ライザーカードで接続しているのか?」
という疑問にたいし、
「PXIシャーシではなく通常のPCで、P2Pを使った転送はできるのか?
できる場合はどのハードウェアがP2Pをサポートしているのか特定する。」
とお答えしました。
今回はその続きです。
NI P2Pはどうやって実現しているのか?
前回の復習です。
NI P2Pは、
PXIシャーシに接続した、デバイス同士直接データをやりとりする
事が出来る技術です。
NI P2Pは以下のホワイトペーパーで解説されていて、サポートしているハードウェアのリストはありますが、ナショナルインスツルメンツ製品だけのリストです。
なので、
「ナショナルインスツルメンツ製品ではない通常のPC上で
USRP-RIOでのP2Pを実現する場合に必要なマザーボードはどれか?」
の疑問に答える資料ではありません。
ピアツーピアストリーミングの概要
http://www.ni.com/white-paper/10801/ja/
ですがホワイトペーパーを読んでみるとP2PのデータはPCI Expressスイッチ経由で送受信されることが書かれていますので、PCI Expressスイッチが必要であると推測できます。
さらに調査をしてみるとPCI Expressの機能に「Peer-to-Peer Inter connect」という機能があり、デバイス間で転送可能であるとされています。
PCI Expressスイッチ非搭載のPCでP2Pを実行してみる
ではPCI Expressスイッチ非搭載のPCにUSRP-RIOを2台搭載し、P2Pを実行してみます。
すると案の定エラー。
PCI Express x1スロットから8つのPCI Expressスロットを拡張するボードでP2Pを実行してみる
前々回でご紹介した「PCI Express x1スロットに最大8ヶのPCI Expressスロットを拡張するボード」。
このボードにはPCI Expressスイッチが搭載され、このスイッチ配下に拡張された8スロットがぶら下がっているようです(推測)。
ということは、この拡張するボード上にUSRP-RIOを複数接続すれば、P2Pが実行できるはず・・・
というわけで試してみると、既報の通りP2Pを使ったデバイス間転送が出来ました!
1Msps(4MB/s)という低速転送でデータ落ちしているのでまともに転送が出来ているとは思えませんが、ともかくP2P接続自体は出来ています。
というわけで、
普通のPCでもPCI Expressスイッチが搭載されていればNI P2Pは実現可能
という事が分かりました。
まとめ
- 普通のPCでもPCI Expressスイッチが搭載されていればNI P2Pは実現可能
- ただし仮想通貨採掘用の拡張ボードではデータ転送があやしい
ここまで長くなりました。
何故仮想通貨採掘用ボードを使っていたか?という疑問に答えると、
普通のPCにPCI Expressスイッチを搭載してNI P2Pが使えるかどうかを
試してみた
のです。
PCI Expressスイッチが使えるPC環境を構築するとなると、それなりの費用と時間が掛かりますが、このボードなら購入するだけなので、非常に手軽です。
・・・・とはいうものの、これはあくまでお遊びのレベル。流石に仮想通貨採掘用ボードでは実用になりませんし、P2Pを動作確認したと胸を張って言えません。
というわけでこのシリーズはもう1回つづきます。
次回は、PCI Expressスイッチが搭載されているPC(マザーボード)の選択の仕方、見極め方をお伝えします(ようやくそれらしくなってきました。)
私たちドルフィンシステムは、ドキュメントに書かれていない情報を見つけるために回り道と思われるようなこともしています。しかしこのような活動をベースにお客様の様々な要望に答えられるような知見の蓄積・環境の構築を行い、最適な無線システムを提案していけるよう努力しております。
以上、ドルフィンシステム福島でした。
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