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- 小型で低コストなSDR環境を作る!ラズパイ4でUSRP B200miniを動かす(1)
- 小型で低コストなSDR環境を作る!ラズパイ4でUSRP B200miniを動かす(2) ディスクベンチマーク編
- ラズパイとUSRPでどの程度の消費電力があるのか?バッテリーベンチマークをする
- ラズパイやUSRPと一緒に使用するGPSの選定(4)
ラズパイに接続したGPSから位置情報を取得する (5)
ラズパイを電源オンしたら自動的にGPSログを記録する (6)
ラズパイでロギングしたGPS情報をGoogle Mapにマッピングする方法 (7)
ラズパイでRSSI計測しながら位置情報を記録する (8)
こんにちはドルフィンシステム福島です。
前回まででラズパイ4でUSRPが使用可能なことを確認しました。
今回から実用的な方向を探っていきます。
具体的な目標として、
「ラズパイ4でモバイルセンシング端末を作る」ことを目標としたいと思います。
- ラズパイ4にUSRP B200miniを接続する
- 電源は市販のモバイルバッテリーを使用することでコストを抑える
- 特定周波数のRSSIを計測しながら
- 接続したGPSの位置情報を取り込みロギングする
- ロギングしたRSSIと位置情報からマップを作成する
という5段階で作っていきたいと思います。
イメージとしては、このようなマップとグラフができれば最高ですね。
引用 : NI DIAdem : DIAdemを使用してFlexLogger™のデータの検索、解析、レポート作成を行う
今回はバッテリー動作を確認する
5段階の行程のうち、前回で1.が完了しました。
今回は「バッテリーベンチマークをする」です。
ラズパイをセンサー的に運用する場合にバッテリーでどの程度の期間運用できるのか探ります。
消費電力を調査するだけなら、ラズパイにUSRPを接続してソフトを動かせばそれで完了なのですが、それだけでは詰まらないので、いろいろな状態での消費電力も計測しようと思います。
計測に使用する機器は、USBチェッカーを使用します。
上図のようにラズパイとACアダプタの間に接続して計測します。積算電力が表示されるので、こういう計測には便利です。
ルートアール : RT-TCRXB
アイドル状態の消費電力は?
まずUbuntu Server 20.04がインストールしてあるラズパイ4の消費電力を計測します。ソフトは何も動作させません。
そしてラズパイにUSRPやSSDを接続し、それぞれのハードウェアがアイドル状態でどの程度の電力を消費するかも調査します。
調査パターンとしては、
- A : ラズパイを5分放置
- B : ラズパイにB200miniだけを接続して5分放置
- C : ラズパイにUSB SSDだけを接続して5分放置
- D : 両方接続して5分放置
それぞれ5分間の積算電力を計測しました。
下表が、結果です。
ラズパイ単体の消費電力は10.8mAhなので、モバイルバッテリー容量10000mAhを使えば計算上15時間は動作しそうですね。 まあアイドル状態で動かしても仕方ないですが。
USRP B200miniとUSB SSDを両方接続すると、23.6mAh。
ラズパイ単体の時よりも消費電力が倍に増えました。
調査項目 |
消費電力/分(mAh) |
差 |
A : ラズパイ単体 |
10.8 |
10.8 |
B :
USRP B200miniを接続 |
18.4 |
7.6 |
C : USB SSD接続済 |
16 |
6 |
D : 両方接続 |
23.6 |
12.8 |
※ ラズパイのCPU Governor : performance
※ USRP B200miniは接続しただけだとUSBデバイスとしてつながっているだけですが、ソフトが何かアクセスするとB200miniに対してFPGAデザインがダウンロードされ動作開始します。今回の計測では、FPGAデザインだけはダウンロードした状態で計測するために、適当なサンプルを一度だけ動作させダウンロードはした状態で計測しました。
USRPでRSSI計測した場合の消費電力
次に、USRPで5Mと50MのIQレートでRSSIを1秒間隔で5分間計測させた場合の消費電力を計測しました。
下表が、結果です。
IQレート5MでRSSI計測させた場合の消費電力が、24.2mAh。
ラズパイ単体+B200miniが18.4mAhだったので、差を計算するとソフトの消費電力が5.8mAhです。
RSSI計測だけならモバイルバッテリー容量10000mAhで、5~6時間は動作しそうです。
No. |
IQレート |
USB SSD接続? |
保存? |
消費電力/分(mAh) |
アイドルとの差(mAh) |
1 |
5M |
いいえ |
いいえ |
24.2 |
5.8 |
2 |
50M |
いいえ |
いいえ |
28.8 |
10.4 |
USRPでRSSI計測しながらIQデータ収録した場合の消費電力
次にUSB SSDを接続し、RSSI計測しながらIQデータ収録をUSB SSDに行って計測してみます。
IQレート5MでRSSI計測とIQ収録させた場合の消費電力が、32.6mAh。
ラズパイ単体+B200mini+USB SSDが23.6mAhなので、RSSI計算と収録の消費電力は9mAhでした。
RSSI計測とIQデータ収録をしてもモバイルバッテリー容量10000mAhで、5時間前後は動作しそうです。
No. |
IQレート |
USB SSD接続? |
保存? |
消費電力/分(mAh) |
アイドルとの差 |
1 |
5M |
はい |
はい |
32.6 |
9 |
2 |
50M |
はい |
はい |
34.6 |
11 |
まとめ
- ラズパイ4単体だけならモバイルバッテリー(容量10000mAh)で15時間程度動作しそう
- USRP B200miniで1秒間隔でRSSI計測するならモバイルバッテリーで5~6時間は動作しそう
- RSSI計測に加えてIQデータ収録を行う場合、モバイルバッテリーでも5時間前後は動作しそう
一日程度フィールド実験をするだけなら、2000~3000円程度のモバイルバッテリーで十分ですね。
据え置きで数日放置するでも、アウトドア用の大容量ポータブル電源があればよさそうです。
↓
こういう奴ですね。
私の自宅にあるSuaoki G500。
これなら137700mAhなので、計算上66時間は保ちます。
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