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こんにちはドルフィンシステム福島です。
先日お客さまから、SDR(USRP)と一緒に使用するPCはどうやって選定すれば良いのか?という質問がありました。
今回は用途別にPCの選定方法などを解説します。特に多チャンネルでの高速収録再生向けの選定方法もご紹介します。
出来るだけ小型が良い場合
20MHz BWまでの収録再生や、間欠的な信号処理の場合は、
ラズパイ4+USRP B200miniの組み合わせがベスト
です。
USB 3.0 SSDを搭載すれば 20MHz BW程度ならデータ落ちなく収録再生が出来ます。OSは、WindowsではなくUbuntu Linux or Raspberry Pi OSになります。
実例は以下で紹介していますので、ご覧下さい。
小型で低コストなSDR環境を作る!ラズパイ4でUSRP B200miniを動かす(1)
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2020/08/sdr4usrp-b200mini1.html
MATLABで開発したアルゴリズムをGNU Radioに移植したSDR開発。ラズパイと低価格ソフトウェア無線機で多数のセンサーノードへの道筋を付ける。
https://dolphinsystem.jp/matlab_to_gnuradio_on_reasonal_prise_sdr/
B200miniの場合は以下の様な制限があるので、注意ですが・・・
USRP B2x0やE310/E320等AD93xxを使用しているSDRデバイスは高調波・低調波に注意
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2019/01/usrp-b200e310e320ad9361sdr.html
USRP B2x0/E310/N310は2つのチャネルに別々の周波数を設定できない
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2019/06/usrp-b2102.html
USRP B200でPLL Lock エラー
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2018/09/usrp-b200pll-lock.html
NI USRP-2900(Ettus B200)の動作は不安定
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2016/06/ni-usrp-2900ettus-b200.html
USRP 1台程度を制御する場合
以前ならPCI Express CardでノートPCとUSRPと接続できたのですが、Express Card搭載ノートPCがディスコンで今はありません。
最近なら以下のURLのようなPCI Express 1スロット程度搭載のPCを選定します。
この以下のページで紹介しているPCが小さくて良かったのですが、ディスコンになってしまいました。
USRP-RIO 2020年のおすすめ構成!(と苦労話)
https://dolphinsasoh.blogspot.com/2020/07/usrp-rio-2020.html
最近はこのPCを使っています。
ThinkStation P3 Ultra (第13世代Intel® Core™)
https://www.lenovo.com/jp/ja/p/workstations/thinkstationpseries/thinkstation-p3-ultra-workstation/len102s0014
以下の様なキーボード付きモバイルディスプレイをつけても良いのですが、客先に納品するのはためらってしまいます。
UPERFECT X : キーボード一体型モバイルディスプレイを試す
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2021/07/uperfect-x.html
多数のUSRPを高速に収録再生をしたい場合
私福島は個人的に「概ね100MHz BWを超えて多チャンネルの収録再生をする」場合を「高速」と捉えています。
この場合は、
- どれくらいのストレージ(NVMe SSD)を搭載し
- 何で(PXIe, 10GbE, 25GbE or 100GbE I/F)
- 何台のUSRPを制御するか
が決まれば、必要なPCのスペックは自動的に決まってきます。
そしてPCのスペックは結局の所、
- CPUパワー
- PCI Expressのレーン数
- メモリ量
で決まりますが、これら何で決まるかというとチップセット(Intel Z790等)です。
というわけで最新世代のCPUを調べ、その対応しているチップセットを調べ、チップセットが対応しているPCI Expressの世代とレーン数を調べます。
ハイエンドゲーミングPCとワークステーションの違い
チップセットの見当を付けたら、次はマザーボードの選定に入ります。
ここで選択肢が2つに別れます。
ハイエンドゲーミングPCとワークステーションです。
PCのスペックが、
- メモリが64GB程度
- PCI Express x16スロットが1~2本
- M.2 スロット(NVMe SSD)が2~4本
程度で良いならハイエンドゲーミングマザーボードを選択し、それ以上のメモリやPCI Expressが必要ならワークステーションを選択します。
ハイエンドゲーミングマザーボードとワークステーションの大きな違いは対応チップセットであり、最終的にはPCI Expressスロット数と最大メモリ搭載量に帰結します。
下表がざっくりとした比較です。
ゲーミングPCでもそれなりのM.2スロット数がありますが、PCIe 5.0と共有や排他利用になるので注意です。仕様書の小さい字で書かれた注意事項やブロック図を注意深く読み取る必要があります。
PCIe 5.0 x16 | PCIe 4.0 x16 | M.2 | SATA3 | |
ゲーミングPC | 2 | 1 | 5 | 8 |
ワークステーション | 4 | 1 | 4 | 8 |
ハイエンドゲーミングマザーボードは以下のURLのようなもので、PCI Express x16が複数本搭載されていてM.2スロットが豊富なものを選定します(以下は、現在福島が愛用しています)。
https://www.asrock.com/MB/Intel/Z790%20Taichi%20Carrara/index.jp.asp
CPU選定で注意点が一つあります。PCI Express x16スロットはビデオカードを搭載するために用意されていますが、このスロットに10GbEやSSDを搭載する場合はCPU内蔵グラフィックを使用するので、CPU型番が無印やKが付いているものを選定します。KFを選定するとビデオカードが別途必要になり、PCI Expressスロットを消費するので注意です。
〇 Intel Core i7-13900, 13900K
× Intel Core i7-13900KF
ワークステーションを選定する場合
次に複数のx16スロットの利用する場合は、以下の様なワークステーション(CPUがXeon)を選択します。
https://www.asrock.com/MB/Intel/W790%20WS/index.jp.asp#Specification
コストを比較すると、ゲーミングマザーボードならCPUがCore i7やi9で20万円程度、ワークステーションならXeonで80~100万円程度になりますので、使用するスロット数やご予算との兼ね合いで決定することになります。
大容量のストレージが必要な場合
複数SSDでRAIDを構築する場合や大容量が必要な場合は、RAIDカードを選択しPCIe x16スロットに挿入して使用します。
P2Pを使用する場合の選定方法
NI-USRPでは「P2P」と言うUSRP同士で直接通信する方法があります。マザーボードを経由しなくて良いので、高速かつ安定的に通信が可能です。
この場合の選定方法は以下の記事の参考にしてください。
NI P2Pで使うCPUを選定する
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2019/03/ni-p2pcpu.html
NI P2Pが使えるマザーボードを選定する
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2019/03/ni-p2p_11.html
NI P2Pが使えるマザーボードを選択する際に間違いやすい点
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2019/03/ni-p2p_25.html
ストレージの選定
ストレージの選定には神経を使います。
カタログスペックを信用して安易に選択すると以下のページにあるように痛い目に遭いますので、ストレージは必ず購入してベンチマークを自らの手で行って選定します。
ドルフィンシステムでは、毎年いくつかのストレージを購入してベンチマークしています。
RF収録に必要なストレージ性能を見極める目を養う
http://mikioblog.dolphinsystem.jp/2023/03/rf.html
以上です。
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